ガス系消火設備とは?特徴・種類・用途

家族を守りたい

先生、『ガス系消火設備』について教えてください。

防災防犯専門家

ガス系消火設備は、コンピュータールームや美術館、駐車場などで使われる、ガス消火剤で消火する消火設備だよ。水による損害が少ないため、幅広く利用されているんだ。

家族を守りたい

なるほど。ハロンや二酸化炭素が消火剤として使われていたんですね。

防災防犯専門家

そうだけど、現在はハロン代替消火剤が主流なんだ。ハロゲン化物消火設備は、フッ素や塩素などのハロゲン元素で燃焼を抑えて消火するよ。オゾン層破壊係数もゼロだから、環境にも優しいんだ。

ガス系消火設備とは。

防災・防犯の設備として「ガス消火設備」があります。これは、ガスで火災を消す設備で、水や泡を使用する「水系消火設備」とは異なります。ガス消火設備は消火後の水による被害が少ないため、コンピュータールームや通信機械室、美術館、駐車場などさまざまな場所で使われています。

ガス消火設備の消火剤には、かつてはハロンや二酸化炭素が使われていました。しかし、ハロンはオゾン層を破壊し、二酸化炭素は窒息の危険があるため、現在は環境に配慮したハロン代替消火剤が広く用いられています。

例えば、「ハロゲン化物消火設備」は、消火剤に含まれるフッ素、塩素、臭素などのハロゲン元素の燃焼抑制作用によって消火します。この消火剤はオゾン破壊係数がゼロで、人と環境に優しいとされています。

ガス系消火設備の特徴

ガス系消火設備の特徴

ガス系消火設備の特徴

ガス系消火設備は、素早い消火能力、無毒性、残渣の少なさといった特徴を備えています。火災の初期段階に少量の消火剤を放出することで、酸素濃度を低下させ、火炎を抑制します。また、消火剤は無毒で、放出後に空気中に残留せず、揮発性有機化合物(VOC)を排出しないため、環境への影響も最小限です。さらに、消火剤は揮発してガス化する性質を持つため、密閉空間や配電盤内などの狭い場所でも効率的に消火することができます。

ガス系消火設備の消火剤

ガス系消火設備の消火剤

ガス系消火設備の消火剤は、火災を消火・抑制するために使用されるガス状の物質です。ガス系消火設備では、これらのガスを放出することで火災の初期消火や延焼防止を行います。主なガス系消火剤には、二酸化炭素、フルオロカーボン、イネルトガスなどがあります。二酸化炭素は、可燃性物質との反応を抑制することで消火力を発揮します。フルオロカーボンは、火炎を覆って酸素を遮断することで消火します。イネルトガスは、火炎から酸素を排除することで消火します。

ハロゲン化物消火設備

ハロゲン化物消火設備

-ハロゲン化物消火設備-

ハロゲン化物消火設備は、ガス系消火設備の一種です。ハロゲン化炭素を放出することで、炎の化学反応を阻止して鎮火します。この消火剤は、低濃度で高速消火を実現できるため、短時間で安全かつ効率的に火災を鎮圧できます。ハロゲン化物消火設備は、電気設備やコンピュータ室、貴重な資料や文化財を保管している施設など、精密機器や可燃性の高い場所の保護に適しています。ただし、オゾン層破壊物質や人体に有害な可能性があるため、その使用は特定の用途に限定されています。

ガス系消火設備の用途

ガス系消火設備の用途

ガス系消火設備は、各種の火災現場に対応するため、幅広い用途で活用されています。主に、データセンターやサーバー室電気設備室美術館や博物館などの貴重な物品や設備を保護する必要があります。また、地下室トンネルなどの換気が困難な場所や、厨房廃棄物処理施設などの火災リスクの高い場所にも適しています。さらに、歴史的建造物文化遺産などの文化財の保護にも利用されています。

ガス系消火設備のメリット・デメリット

ガス系消火設備のメリット・デメリット

-ガス系消火設備のメリット・デメリット-

ガス系消火設備は、高い消火能力と素早い反応速度が特徴です。そのため、短時間に発生する大規模な火災に効果的です。また、電気を使用しないため、停電時にも確実に作動します。

しかし、ガス系消火設備にはデメリットもあります。主なデメリットは、人体に有害なガスを放出することです。そのため、屋内使用には注意が必要で、換気設備が十分に整っていることが不可欠です。また、ガス漏れのリスクがあり、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。さらに、一部のガス系消火剤はオゾン層を破壊する可能性があるため、環境への配慮も必要です。